1941年12月2日の満州日日新聞に「ユダヤ問題を衝く」と題された座談会が掲載された。神戸大学経済経営研究所が文字起こしをしているが、読みにくい部分があるので、こちらのブログに一部訂正して転載した。旧漢字の訂正、空白となっている文字を前後の文脈から埋める作業、句点を追加する作業、長い文章を段落に切り分ける作業、明らかに誤字と思われる字を訂正する作業を行ってある。
場所 上海・新亜細亜ホテル
満洲国上海総領事館 今島凡骨氏
同 酒井広治氏
上海税務専門学校教授 浜野末太郎氏
満鉄上海事務所嘱託 長谷川泰造氏
世界動乱の真因が那辺にあるか、これを解明せんとするもの、あるいは経済問題に、あるいは民族問題、また宗教問題に、思想問題にそれぞれの立場から各々異なった鍵を求めるであろう、そしてそれらは総て正しいのであるが、遂に万能の鍵ではなかった。
もしあえて万能の鍵を求めんとするならば、一切の問題を超え、かつ一切の問題を綜合するユダヤ秘密力の探究にまで突入せねばならぬ。しかも、それへの探究は問題のあまりに複雑さと広漠さとにおいて兔角看過されがちであった、たとえ全東洋人あげて、これに無開心であろうとも、現在あらゆる擬装による秘密力は最も尖鋭なる攻勢を東洋にとりつつあるのである、この秋、斯界の権威を網羅する本座談会の持つ意義、極めて深きものあることを確信する。
本社 ちょっと御挨拶申上げます。いま世界に起っている経済問題にしろ、外交問題にしろ、思想問題にしろ、国際的なあらゆる問題は一応ユダヤ秘密力を通じて解釈しなくては到底正しい回答を得ることが出来ないということは、かねがね皆様方の御主張になっていられるところでありますが、われわれ新聞人として毎日頻繁に世界各国から集まって参りますところの電報を処理しておりましても、特にその感を深くしている次第であります。
言うまでもなく上海はユダヤ秘密力の東洋侵冦作戦基地であります。この土地に長くおられましてあらゆる方面から彼等の動きを研究しておられまする皆様から種々とお話を何うことが出来ますことは非常に愉快に存ずる次第であります。何卒忌憚なく御研究を披瀝されんことをお願いする次第であります。それではまず長谷川さんから、ユダヤ民族ならびにユダヤ教についてお願いします
長谷川泰造 ユダヤ問題について私共が最も重点を置かなくてはならないところはユダヤ人の世界征服の野望ということだろうと思う。この世界征服の野望は非常に古い歴史をもっておるのでありまして旧約聖書、イザヤ書辺りにもユダヤ人の世界征服ということがちゃんと出ておる。更に溯ればモーゼの時代にユダヤ人は世界を征服するというようなことを文書に記しておった。ユダヤ問題が出て来るのはここからだろうと私は考える。
若しユダヤ人がローマ帝国に亡されなかったならばあるいはユダヤ人は世界を征服するというような考えを起さなかったかも知れない。あるいはユダヤ人がローマに亡されておったにしても各地に四散したユダヤ人が、その行先の国々で同化するということをやっておったならば、やはりユダヤ問題は起らなかったかも知れない。
しかし現在においては我々の目前にユダヤ問題は現れており、世界征服すなわち国際主義がそのユダヤ問題である。それに対抗するのは国家主義である。もっと具体的にいえば、国際主義というのはユダヤ主義である。国家主義というのは日本主義である。日本主義とそれからユダヤ主義の対立が現在のユダヤ問題であると、そういう風に私は見ております。
しかし彼らは武力を持っておるわけでない。何に依って世界を征服するかというと金力と宣伝力をもって世界を征服しようとしておる。我々がユダヤ人を防御する上においても、この金力と宣伝力との線に沿うて防御しなければならないのではないかと、そう思うのであります。
次いでユダヤ教でありますが、ユダヤ人は世界到る処で、あるいはいついかなる時にでも排斥されておるのでありますが、それはユダヤ教がそうさせている。ユダヤ教のことを唯一言で申しますればユダヤ教は排他的宗教であるということになる。
その主祭神はエホバの神様でありますが、エホバの神様はこれは排他的の神である。偏狭の神であり、復讐の神であり、怒の神であり、天地創造の神様とは全然異なる神様でありまして、旧約聖書の中でも創世記第一章では天地創造の神様について書かれてありますが、第二章からユダヤの神様のエホバが出て来る。この旧約聖書ではこれを天地創造の神様とユダヤ教のエホバ神様とを混合しておるのでありますが、この点我々はユダヤ問題を研究する時には非常に注意しなければならないところではないかと思う。
ちょっと創世記の天地創造の点について一つ申上げたいと思うのですが、これの第一章においては、神様は言葉で天地万物を拵えられておるのであります。ところが第二章に参りますと、いままで神様が拵えてそうして神様が御覧になってはなはだ宜かりきというものを、これを全部否定しておる。
言葉すなわち神様の御心で拵えられたものを第二章に至っては全然否定しておる。第二章ではエホバの神が天地創造をやり、例えば人間を造る時には土の塵を混凝て人間を造ってその中に神様が気息を吹入れた、それがアダムであります。そのアダムの肋骨の一つを取ってそれで造ったのがイヴである。すっかり唯物史観になって来ておる。ユダヤ問題はこの辺から出発するのではないかとそう思うのであります。
しかも旧約聖書、新約聖書が何時も一緒に編纂せられておるのでありますが、これは聖書会社が大体にユダヤ人の息のかかった出版社なんでありますから、そこから出る聖書は旧約と新約聖書を一緒にして出版しておる。もし一緒にしないというような場合でも詩篇だけは一緒にしておる。この点も非常に注意を要するところであります。新約聖書の中にはエホバという言葉は一つもないのであります、このユダヤ教について有名なユダヤのある少壮天才学者が申しましたがキリスト教はユダヤ教から出たが、ユダヤ教の良いところを全部持って行ってしまった。残ったユダヤ教というものは非常に悪い宗教になってしまった。
ということを彼の著書の中に書いておる、これを見ましてもユダヤ教とそれからキリスト教の区別、そういうようなものがはっきりお分りになるのではないかとそう思われる。
本社 メーソンという男が来て神逍を研究しておりましたが、あれはどういう意味があるのですか、あれはユダヤ人ではないのですか?
長谷川泰造 メーソンの写真を見ましたが、あれはユダヤ人だろうと思いますね。
本社 メーソンが言っている言葉で一番面白いと思いますのは、「日本の神道の中には選民思想がない」ということを言っておりますが、ユダヤ教では選民と言い、神道では選民でなく神の子孫という……
長谷川泰造 ユダヤ教と日本の神道を考えて見ると、ユダヤ教より日本の神道の方が問題なく上ではないか、神道の方では私共は惟神の道(かんながらのみち)ということを申します。神そのものと同じ、そのままの道を行くことが惟神の道である。
これを見てもユダヤ人は神に選ばれた民に過ぎないのであるけれども、我々自身は神様と同じ性質をもっておる。我々がもし前線に行って戦死をしたという時には靖国神社に祀られる。そのままで我々が死んだならば神様である。その外に偉人として神様に祀られた人も沢山ある。我々はそのままで神性を備えておるそこが我々のユダヤ人と違うところではないかと思う。
本社 ありがとう御座いました。それでユダヤ人が排斥されるということは、その強烈なユダヤ教によって作られた世界征服の野望に燃えていることからユダヤ排斥が起るということがよく分りました。次に浜野さんユダヤの世界征服政策はどんな形をとって現われているか、お願いします。
浜野末太郎 昔から色々ユダヤ人が採り来った政策を歴史的に申上げると長いものになるが、最近一番人口に膾炙しておるのはユダヤの三S政策であります。
これはスクリーン、スポーツ、セックスの三つで、スクリーンはアメリカ映画の九割までがユダヤ人の資本で、名優というのはユダヤ人かユダヤ人と結婚しておる者でなければなれないというような状態で、しかもそのアメリカの映画が全世界を風靡しておる位ですから、映画界におけるユダヤの勢力がいかに大きなものであるかということが分る。
その具体的の例は日本でも見られたのですが「ロスチャイルド家」という映画がある。あれを日本で観たが、完全なユダヤの宣伝物であるということが窺えた。字幕の中に出て来る一番大きなものが、ロスチャイルド家はなるほど金を作ったが、ユダヤ人というものは平和のためには巨額の金を使うが、戦争のためには一文の金も使うものではない。戦争又は破壊のために一文の金も使うものではない、というようなことを誓ってあるが、これは完全なユダヤの宣伝で彼等は宣伝によって、また戦争によって金を作った、金を作るために戦争を起しておる。
第一次世界大戦はもちろん今度の第二次世界大戦においても、先ずイギリスをけしかけて、それが旨く行かなかったので最近はアメリカにおいてユダヤの活動が行われておるというようなことである。
それであるのにこうした映画を見せて、ユダヤ人は平和のためには金を使うが、戦争のためには金を使わないと彼等に都合のいい宣伝を先ず映画にしておる。
それからスポーツですが、これは我々が考えておるスポーツ、日本人の考えておる武道精神とか、柔、剣道に現われた精神とは違って、彼等のいわゆるスポーツはむしろ身体を過度の運動の結果悪くさせてしまう。
故にスポーツが何を目的にするか、ユダヤ人が考えておるのはスポーツは選手権を争わす事で、選手を作るということは身体を極度に過労させるために却って運動選手が結核にかかり弱い者になってしまう。病気を持ったりなんか色々の病気を起すというようなことになるので、これはユダヤ式スポーツに依る世界堕落の現れだ。
それからもう一つはセックスですが、これは一番一般の人にうかがえる。殊に青年男女に対してアッピールする。それは映画の方面と言わず総べての方面に、あるいは劇の上に男女の関係を腐敗堕落さす。そうして若い男や女の気を惹き付けるようなことをやって、そうして国民性とかあるいは国民の道徳というようなものを破壊して行く。
先程長谷川さんが言われた通り国際主義をもって国家主義に対抗し、国家主義を破壊するのがユダヤの目的の一つであるのです。同様にセックスという点から他国民を堕落させるという事が一番容易なことである。
このスポーツ、スクリーン、セックスの三S政策が、ユダヤ人の全世界に拡がっておる通信網、宣伝網を通じて活躍しておる。それがまあ最近現れておるユダヤの政策で、そうしてそれがためには一番喰込み易い方面から喰込んで行く。
第一には金、世界の金を――金権を掌握し、第二には宣伝力を現に握りつつある。その握りつつある具体的の例は―今日世界で通信社と言われるアメリカのU・P、A・P、イギリスのルーター(※ロイター)それからフランスのアヴァスというようなものが皆これはユダヤの資本で、そうして幹部がユダヤ人によって占められておるのでありますから、これ等の通信社を通じて出される通信といものがユダヤ人に有利でなかったならば必ずそれが訂正されるか、あるいはユダヤに不利な……ユダヤ以外の民族に対して有利である場合はそれを歪曲して出すというようなことが行われておるのでありまして、それがためにはいわゆるデッチ上げた記事を出す。
上海の英字紙も無論ユダヤ系でありますが、毎日の市場に出ておる新聞を見れば判るのですが、現に今日のチャイナブレスにも出ておりますが、エスグルンドが書いておる「上海淫売史」これを見るというと、非常に誇張されたユダヤ的の宣伝をやっておる。上海の人口の五割は花柳病患者だということを書いておる。そんなことはどこから考えたってあり得ない。如何に上海が堕落しておっても上海の人口の五割が男なんだから、男は全部花柳病患者(笑)ということになるんですが、こういうような誇張した記事を書いて、男は花柳病になるのは当り前だというようなことを宣伝しておる。これは民衆を随落させるという方針から行くと一つの政策です。
それから有名な基隆事件というのが昭和十年の十月に起きたのですが、この事件等も日本とイギリスの国際関係を悪化するためにいたずらに小きな問題を針小捧大して世界に大きく流布させたという事件がある。
それから上海等でも、時々起る種々な事件が、故意に日本を悪くしようとする時には、仮に南京路のある骨義屋に強盗が侵入して四千万弗に近い品物を盗んだ、その時に強盗の中に日本人が入っておって、日本人が指導しておったという。事実は日本人の犯人がある筈もなかったのですが、いたずらに日本と列国との関係を悪くするために、そういう記事を出したり、それからヒュー・ヴァイアスのところに強盗が来て原稿を盗んで行ったことがあるが、それは日本人の英語であったというようなことをこれもニューヨーク・タイムスに大きく宣伝したのであるが、こういうようなことはいずれもユダヤ人がコントロールしておる通信社によって出させておるニュースであって、それが今日世界の通信網を掌握し、ユダヤに有利なそうして非ユダヤ人すなわちゴイ(豚)、他国民はユダヤ人からいえばゴイなんで、豚に対しては不利な情報をドンドン出しているというのが現在のユダヤの対ゴイ政策の現れだと思う。
本社 それでは長谷川さん、特に彼等が勢力を得て来た第一次大戦について……
長谷川泰造 近世史を繙いて見ると、世界大戦の原因は六月二十八日にサラエボで墺国の皇太子が一セルビア青年のために狙撃されたことが原因であったかのように書かれておるが、私共はそれに対して別個な考えを持っておる。
特にこれは私共がそういう意見を創作したのではなくして種々な資料があって、それに拠る。世界大戦というものは、六月二十八日のサラエボ事件があった既に二週間も前において決定されておる。それからもう一つ溯ると、一九一二年の九月十五日に発行されたフランスにある「国際秘密結社評論」の中にあるスイス人のフリーメーソンの言葉としてオーストリーの皇太子が殺されると、いまだ皇位に上らない前に殺されるということを予言した記事があるのである。
これから見てもオーストリー皇太子フェルヂナンド太公を暗殺しようという計画はその以前からあったものであって、しかもこれがユダヤ人によって計画されておる。あるいはフリーメーソンの関係者によって計画されておるということは明らかに分るのであります。このフェルヂナンド太公を射殺した下手人はユダヤの青年でブリンチーブといい、これはフランスのフリメーソンの結社であるグラン・トリヤンから武器その他を受けて太公殿下を射殺する当日はやはり同じようにサラエボにあるフリーメーソン結社で御飯を食べて出かけたのであるということである。
それから経済上のことからいうと、これは世界大戦が終ってから大分経って発表されたものであるけれど、シッソンという人が出したシッソン・レポートというものがある。この中には世界大戦の原因はオーストリー皇太子暗殺ではない、先程申したように、その二週間以前にこれが決定しておるのである。その二週間以前にはドイツ皇帝は全ドイツの工場にあるいは会社に向って戦時動員令を降しておる。それから見ても我々が普通に考えておるサラエボ事件というものはヨーロッパ大戦の原因ではなかった。
シッソンはそれに対して別個な考えを持っておる。一九一三年の終りにアメリカでは連邦準備銀行令というものが布かれてれによってユダヤ人がアメリカの財界を完全に支配する仕組が出来たのである。それと同時に連邦準備銀行を通してドイツにある金融界を支配することが出来るようになった。それから又イギリスにある銀行界をも支配することが出来るようになった。謂わば世界大戦の財政を彼等の手でどうにでもなるような体制がこの時に出来上ったのであってその上でこの大戦が始まったのである。これは世界大戦の原因として非常に面白い見方ではないかと思う。
本社 大戦の進行中にドイツのユダヤ人が活動して物資を敵国から取寄せる等というような芸当を演じ、ある将軍の如きも「ユダヤ人でなくては出来ない」と舌を巻いたというが……
長谷川泰造 中立国にあるユダヤ人とドイツ内のユダヤ人はかなり連絡を取っておって、中立国を通じてドイツに物資が流れ込んで来たことは事実ですが、これはシュトルトハイムの書物を見ても分る。ドンドン物資はドイツに入った、それがドイツの消費者の手に入るまでにはユダヤ人の間をドンドン通って運賃と儲けを払って、食料品等に至ってはドイツ人の口に入る時には既にもう口に入れることの出来ないような状態になったものもあるというようなことが書いてある。武器その他もドイツ内に流れ込んだのは中立国と国内にあるユダヤ人を通してであるということは判っきり分るわけです。
本社 第一次大戦中の一九一七年のバルフォア宣言を出した後で間もなくアメリカが参戦したというようなことになっておりますね……
浜野末太郎 イギリスがユダヤ人を自分等の方に巻込むためにああいう宣言を出したが、文句がインチキです。ユダヤ人のためにパレスダインにユダヤ人のナショナル・ホームを作るということをいっている。その文句は
外務省 (印刷)
一九一七年十一月二日
ロスチャイルド 閣下
陛下の政府代表をしてユダヤシオニスト運動に対する同情を貴下に送ることを光栄とする、右は閣議に上り、その可決を経たものである。
陛下の政府はパレスタインにおける猶太民族の故国建設に対しては絶大の好意を寄せるものである、而してこの目的完成を容易にするためには全ての努力を払うものである。これはパレスタイン居住の非ユダヤ人の市民権と宗教権に対してはいかなる妨害も加えず、また他のいずれの国に居住するユダヤ人も、その享有する政治的権利と地位とに対して同様妨害が加えられるものでない。此の書がシオン会の認識するところたるを光栄とする。
アーサー・ジェームズ・バルフォア
ということを言っておる。それをユダヤ人の方ではこういう風に解釈しておる。
パレスタインをユダヤのナショナル・ホームにするというのでそれをイギリスが我々にくれるというので一所懸命になったところが、パレスタインの中にユダヤのナショナル・ホームを作るという、一部だというので、アラビヤ人とユダヤ人の間にパレスタインの争奪で問題が起きたが、ああいうような空手形を発行したことが却ってイギリスに取っては癌になった。
あの宣言はバルフォアが考えたのでなくて、ユダヤ人が彼に書取らした。それはアハッド・ハームの伝記の中に書いてある。アハッド・ハームとその弟子であるカイム・ワイズマン、ナホム・ソコロフ、イシェル・ツレノフ等によってバルフォア宣言の文句は作り上げられた。そういう点から考えて見たら非常に面白い問題でないかと思う。バルフォアはその宣言の数日前に田舎にあるロスチャイルドの邸宅に招待されておる。
その時にバルフォアはロートシールドの邸宅が立派であるということを賞讚している。その時にロスチャイルドはこういう立派な邸宅に自分は住んでいるが、俺逹の同族は枕を高くして眠ることが出来ないと涙を流してそれを愁えた。その時にバルフォアは非常に気の毒になってそれでは私は陛下の内閥の閣僚にこれを諮って見ましょうということを約束した。それから数日経ってバルフォア宣言というものが出たのである。
本社 パレスタインが出たついでにシオニズムについて一つ……
長谷川泰造 アメリカにルイス・マーシャルといって、ユダヤ団の一方の団長がおるが、ルイス・マーシャルがかつて言ったことがある。それはシオニズムとはこれを表面的に説明して言うと、ユダヤ人が祖国を這ってそこに復帰するという運動です。
しかしこの運動はちょうど鈎のようなものでる。その鈎は鋭い剣を引っ懸けて置くのに都合の宜いものである。この鋭い剣とは一体何であるか。この剣とは世界征服であるということを、ルイス・マーシャルが言った。これは非常に味うべき問題ではないかと思う。
プロトコールの序文すなわちセルヂ・ユルスのプロトコールを独訳したベックという人がその序文の中に書いてあるが、プロトコールを全部読んだ後の印象はシオニズムというものは世の中を慢著するための方便に過ぎない。彼等の考えているところは世界征服であると言っている。シオニズムというのは問題なんですね、彼等だけが集まって生活すればそこに困難がある。どうしてかというと、彼等は労動を嫌って居る、生産を嫌って居る、しかしこれは他の国の責任ではないのですからね。そのために彼等が滅亡しなければならないような状態になったら彼等は彼等で働いて彼等の生活に必要な物資は生産して行ったら宜いし、それを全部他国、他民族の労動に依存しなければ行けないというようなことをして来たということが彼等の間違いではないか。それを是正してやらなければらないのではないか。問題はどこかの国が彼等を入れるということです。
本社 それでは次に赤化革命、赤化運動と、そしてフリーメーソンとユダヤ人がどんな関係があるか、あるという説と、ないという説と両方あると思いますが。
浜野末太郎 それは結局ユダヤ人が、ユダヤ人として、ユダヤ民族として色々な陰謀をやる場合に、ユダヤ人が表面に現れては非常にやりにくい。ユダヤ人が関係した場合に、それをカムフラージユするために一種の別働隊というようなものが出来て来るのが今フリーメーソンで、日本でも禁止されたが、ロータリー・クラブが別働隊の別働隊となっている。
しかもそれがユダヤ人が非常な力を持っている。フリーメーソンでも三十三階級に分たれ、上層の方は全くユダヤ人だけで幹部の席を占めておる。他の民族はその中に入り得ない、覗くことも出来ないという風な仕組になっておる。これなどはユダヤ人が何か事をやる場合はカムフラージユする、例のユダヤ人の両建主義ですね。これが何処に行っても行われる。
一方排日の意見を吐いておるかと思うと、こっちで親日らしい意見を吐いておる。ユダヤ人は必ずしも排日ではないけれども、更にその排日を強化して行く、これは両建主義で、これが到るところに現れる。ちょっと考えてユダヤ人だって排日屋ばかりではない、こういう親日の例もあるではないかというのは大概ユダヤ人のこの両建主義にかかって麻酔された結果だと思うのです。
本社 その一番大きなものが共産主義と資本主義ですか?
浜野末太郎 これはその中に極端な両建主義が現れておる。
本社 酒井さん、ここにフリーメーソンのロッヂがあるのでしょう?
酒井広治 無論あります。
本社 どんなことをしておるのですか?
酒井広治 大体慈善事業を表看板として上海ブナイ・ブリス・ロッヂといい、ユダヤ人だけで結成されております。これなどは病院等を建てて実際ここの人間を収容してやっておるようです。
本社 なかなか中を見せないそうですね。それからフリーメーソンには随分厳格な掟があるそうですね。
長谷川泰造 フリーメーソンの結社員でも中はなかなか見られない。これは三十三階級に分れておって、一番下から三十三階級、最高まで昇るが、上の人が加入している組合の中を下の者が覗くことは出来ない。上の者は下の者を覗くことは出来るが、そうして命令は総て上から来るのです。上から来るけれども誰がこの命令を出すかということは分らないようになっている。この命令に対しては絶対服従なんです。
そうしてこの命令を受けた一番下の人間はこの事件は、またこの仕事は何のために役立つか分らないというような程度にまでなり、先程酒井さんが言われたようにただ慈善事業だけやっておるという風に言われますけれども、現われた時には慈善事業なんです。
下級の結社員は調査をやっておるとか、その他小さな仕事をやっておるけれども、それが段々上に行くと判って来る、一番上に行った時にこの目的は何であるかということが判っきり分る。
このフリーメーソンは決してこういう形で事業をやるべきものであるとか、はっきりした決った形がない、その時々に、その場所、その場所によって適当な形を取るように出来ておるのです。
本社 ブナイ・ブリスと普通のフリーメーソンはどういう関係ですか?
長谷川泰造 ブナイ・ブリスはユダヤ人だけが入っており、それからフリーメーソンはユダヤ人とユダヤ人でない者と一緒に人っております。これはフリーメーソンという点において共通なんですから、その中にブナイ・ブリスとその外に普通のロッヂと共通に結社員を兼ねておるユダヤ人がおるわけです。
先程浜野さんが申されたように、上層部はユダヤ人であるか、あるいはユダヤ人に非常に関係を深くしておる者で占められておるのですから、結局ユダヤ人以外のロッヂもユダヤ人に左右されるということになるわけですね。
このブナイ・ブリスの勢力というものは非常なものであって、アメリカ辺りではウイルソンを利用したのもブナイ・ブリスであり、タフトを失墜さしたのもブナイ・ブリスである。政界に非常な勢力を持っておるタマニイ・ホールという政治結社があるが、この中にもユダヤ人とフリーメーソンの力が入っておる。これがアメリカを支配するというようなことまで言われたことがある。
本社 ルーズヴェルトがユダヤ人だという説がある。これは現在の世界情勢から見て相当重視していいと思うが……
浜野末太郎 ルーズヴェルトのユダヤ人論は相当出るのですが歴史的文献でも指摘されており、私の読んだ物でもスペインのある地方に千六百何年頃その姓をロッソ・カンボ(赤い野原)というユダヤ人が住んでいたが、十七世紀の初めにオランダに移って、オランダ流に姓を変えて、ローゼンフェルト(薔薇のフィールド)それがオランダからアメリカに移住したのが十七世紀の終り頃で、アメリカに行ってルーズヴェルトとなった。
ですから彼の先祖はロッソ・カンボである。彼はそうではないと言っておるそうですが、ルーズヴェルトはいつもハイド・パークから世界に呼びかけるのです。このハイド・パークの河の向側にあるのはユダヤ人のクォーターです。それをルーズヴェルトが勢力を得てから、このハイド・パークという河のこちら側の名前を河向うにまで拡げてしまって、ルーズヴェルトの先祖の居住していたユダヤの区域をハイド・パークに含めた。ハイド・パークは元々ユダヤのクォーターではなかったのであるが、そういうような手をやったのである。
又ルーズヴェルト及び細君のやっていることは百%ユダヤ人かユダヤ・シンパサイザーのやることですね。知事のレーマンがユダヤ人であり、市長のラ・ガディアがユダヤ人であり、マンハッタンその他区長がユダヤ人であり、上海でいえば共同租界工部局監察見たような中央総局の局長がユダヤ人である。かかる方面だけでなく無論会社、取引所、金融界の中枢は全部ユダヤ人の勢力が入ってしまっておる。
それですからニューヨークでもって何かユダヤの病院が出来たとかいうような時には必ずルーズヴェルトの細君が何を措いても出席して、そこでお世辞をやる。色々寄附をしたり、ユダヤの御機嫌を取るということからやっぱりあれはユダヤ人なんだということがこの頃アメリカ人の間にも判って来たということである。
それから今日政治的にルーズヴェルトがやっておることが全くユダヤの政策であり、彼を取巻いておるブレン・トラストの連中が全部ユダヤ人で固められておるという事実から観ても、ユダヤ人がルーズヴェルトの陰にあって策動しておる。ルーズヴェルト自身がユダヤを利用してやっておるので、ルーズヴェルトの血管の中にはユダヤの血が流れておるということが最近言われております。
長谷川泰造 アメリカは世界を動かしておるような国であるが、あれはアメリカの内部ユダヤ人が世界中の金融界を支配しておるような状態であって、アングロサクソンばかりがあのアメリカの力となっているのでないでしょう。
例えばアメリカの金融界に覇を唱えておる連中、この顔触れを見てもフェリックス・ワーブルグ、ゼコブ・シッフの息子のマーチモア・ワーブルグ等が現在のアメリカのほんとうの親玉である。
彼等はほとんど全部がドイツ系のユダヤ人で、極く近代になってからドイツから渡って来たのである。彼等がアメリカの国籍を取得したのも極く新しいのです。しかもロシアの革命をやったのも彼等だし、世界大戦の財政をほとんど動かしていたのも彼等なんです。そうしたならば彼等はアメリカ的の色彩よりもドイツ的の色彩の方がウンと多い、ドイツを今でも祖国というような風に考えておる連中が多いのですね。この前の大戦の時なんかでも随分色々な計画が行われておったです。大体ドイツを勝たせるというような計画ですね。
本社 アメリカにも反猶運動はあるでしょう。
浜野末太郎 アメリカでは最近活溌な連動をやっておる。それで面白いのはちょうどイギリスに例のファッシストのモズレーという人がおるが、アメリカにも議員であれと同姓でモズレーというのがおる。これがアメリカにおけるユダヤの陰謀を倒さなかったならば、ユダヤのためにアメリカがユダヤ国になってしまうというので反ユダヤの運動を起しておるが、そうした運動はアメリカ内部でも歓迎されない。
というのは、これはどっちから行ってもユダヤの好まない運動をやっておるのだから、そうしたものは歓迎されないのですが、しかしユダヤに対して日支事変をこれをこのまま日本に不利にしたり、あるいは支那の勝利になるようなことになったならば危険だから、日本を敗かしてはいかんぞという論がアメリカに起きておるが、これはアメリカの反ユダヤの一部から出ておる。
リベレーションという維誌にも日本が敗北したらアメリカはどうなるか、その結論に日本は国家的生存のために戦っておるので、日本がもしこの戦争に勝たなかったならばたちまち赤露の軍隊によって圧倒される。日本は又こういうことを知っておるし、世界もこれを自覚せねばならない。すなわちユダヤの息のかかった共産主義がアジアを席巻してしまう。西半球の日本が唯一の防壁であるということを知らそうして共産主義は今やアジアにどんどん進軍しておる。日本だけはこの危険を余りによく知っておる。日本人は元来平和の国民である。日本を唯一の堅塁として共産主義をアジアから駆逐してしまわなければならぬ。日支は元々共に親和の友邦であったのだ、然るにユダヤ人の新聞と赤のプロパカンダは日本は領土的野心をもって支那に臨んでおるというようなことを宣伝したのだ。
というようなことを言っておるのですが、これはアメリカにおいてユダヤの運動が、日支事変をして支那を勝たせなければならぬという運動を知って、こうした宣伝をやっておるわけですが、これと同時に、今日アメリカにおけるユダヤ人としては、イギリスが実はドイツに勝ってくれるかと思ったが、イギリスがドイツに勝ってくれなかったので、今頼るところはアメリカだけで、アメリカをこのままにして戦争が進んで行くならば恐らくドイツの勝利に帰するのではないか。
そこでどうしても第一次ヨーロッパ大戦の時と同様にアメリカを戦争に巻き込んでドイツを倒す。ドイツを倒すことすなわちヒットラーを倒す。ユダヤ人から言うと、我々の祖国を奪還することだと言っておる。しきりにアメリカ人の中に働きかけて、そうしてドイツの勝つことは世界がドイツの圧制の下に呻吟しなければならぬということを宣伝しておる。
この宣伝の仕方は彼等の宣伝力が抑えているだけに、反対の宣伝は彼等のアメリカの中では聞えないんだと思う。例のドイツのために好意的の発言をしているリンドバーグ大佐の如きも、リンドバーグの言ったことは決して外国の新聞にもアメリカの新聞にも載せられないようになって、むしろ反対側の意見だけが大きく載せられておるということも、あたかもアメリカではユダヤ人の力によって宣伝通信網が経営せられ、しかもユダヤ人の支持する現政府によってアメリカを戦争の過中に巻込み得ないならドイツと日本を懸制するという運動が着々進んでおります。
本社 そこでまたフリー・メーソンに帰りまして……
酒井広治 フリー・メーソンの加盟員がどんなに結束が固いかということですが、これは具体的の例を挙げると、○○局におるものでこれに加盟しておる者は非常に進級が早い。というのは○○局の上層部にフリー・メーソンのメンバーがいるからだと言われている。それからいわゆる下っ端の運中でも加盟員相互に関する限りなかなか義理堅いところがあるようで、それはちょうど日本におけるやくざ社会の仁義を思わせるものがあるようです。
それから本紙の記者達は満洲にあるので余り関心を持たれないと思うが、フリー・メーソンはこの上海のことだけで、日本や満洲にはないのだと考えるようでしたら、それは大きな誤りだと思います。
浜野末太郎 日本フリー・メーソンやロータリー・クラブの人々は上の方がどういうことをしておるかということを知らないで、表面に現われた趣意書とか目的等だけを聞かされておるから、フリー・メーソンはそういう目的ではないロータリーは親睦を共にするためのものだと思っておる。
それでそれは下の方はそういうように擬装されているが、上のはこうだとロータリーの会員に説明しますと、なるほど自分達はそこまでは知らなかった、そういうことがあるのですかと上の方のことは全然知らない。下の方の一般の者に都合のいいことだけを聴かされており、今酒井さんの言ったようなことは相当ある。
本社 満洲でも相当活躍しておるのではないですか?
酒井広治 具体的の活躍は知りません、けれどもないということは言えない。
長谷川泰造 具体的ということを申しますけれども、これは具体的に現われないところが怖しいのではないか。
浜野末太郎 そうだね。
本社 表面に現れたら警戒するからね。
長谷川泰造 こういう仕事をする、こういう思想を吹込むというようなところに知らず識らずの裏にフリー・メーソンの教義に叶ったことをする人間が沢山出て来るから一番怖ろしい。
浜野末太郎 その点は、日本は外国人の血が少なかったためにユダヤ人はないんだぞ、日本の方にはユダヤ人は喰い込めないんだというような考え方をしている人が相当あるが、これは非常に危険である。
現に日本人の中にユダヤ崇拝の思想が入っている。それもパーセンテージから言えば極めて少ないにかかわらず、それ等の者が上層階級にまで行っておる。この上層に入っておるということは日本人として余程注意しなければいかんと思う。それはユダヤ人としてもそういうところは一番のつけ目なのでユダヤ人がいつも言うことですが、ユダヤ人が他民族と結婚する場合殊に男がユダヤ人以外のゴイの女と結婚することは極めて少ない。
最近当地の話題になった七億弗の遺産で問題を起しておるサー・ハードンの如きは、あれなんか例外だ。ユダヤ人が他民族の男と結婚するには、社会的に、経済的に女子よりも地位の高いものでなれば結婚しない。これはユダヤ人の中の一つの信条になっておる位で、一番解りのよいのは、イギリスのエドワード八世がシンプソン夫人と結婚したのは、彼等の信条に最も叶った他民族との結婚ですが、こういう点はあれですから日本人等でも余程その点は警戒しなければいかんと思う。
本社 ところで蒋介石がフリー・メソンだという説があります。
浜野末太郎 そういうことを言っておりますね、宋子文も……
長谷川泰造 蒋介石がフリー・メーソンだということは私の方にちゃんと証拠があります。これは昭和十三年に私の手に入った、先程申上げたフランスで出ておる国際秘密結社評論の中にあるのですが、これは題は「東京における日本軍」という中にずっと書いてあることを見ると蒋介石のことが書いてある。
蒋介石はフリー・メーソンであり、彼が属しておるロッヂはバゴダ・ロッヂである。その中に宋一家のことも一緒に書いてありました。ここに材料を持って来てないのは残念ですが、はっきりそれを見ておるのです。
浜野末太郎 宋嘉樹というのは宋美齢達の親爺でハワイの成金ですが、あれが支那人出のメーソンの会員で、それの息子、娘をアメリカの学校にやっておるので、その宋嘉樹の関係から宋美齢、宋子文などがメーソンの会員になり得る多分の可能性があり得ると思う。
本社 そうなると、フリー・メーソンはユダヤの世界攻略の別働隊になって来る。結局蒋介石はユダヤに利用されておるということになり、支那事変を解く鍵もユダヤ問題でなくてはならなくなる。一体彼等が支那―東洋に乗込んで来たのはいつ頃からですか?
浜野末太郎 歴史的のあれから言うと西暦前三世紀頃支那にユダヤ人が来たことが書いてあるのですが、その後ずっと後になって河南省開封にユダヤ人が建てたシナゴーグ(教会)が約三百年位続いて、全く他の支那人とは結婚しないでユダヤ人だけの血族結婚をして、ユダヤのセッツルメントを作ったという歴史が残っておる。
今でも開封に行くと、その当時の石碑が残っていて、ユダヤ人の慣習を保持している。例えば割礼をやるとか、その他のユダヤ人の習慣を守っておるために、あそこで監相回子と言われ、異教徒ということは知らないでおるが、当時のユダヤ人が最近まで残っておるという事実がある。
これと今日発展しておる我々が今日言うユダヤ人とは大分変ってはおるのですが、歴史の上ではそういうユダヤ人が古く支那に来たという事実が残っておる。そうしてその後に来たユダヤ人が今の印度から来たサッスンの如きも、印度に持っておる三十億の資本の三分の二を支那に移したというのが近世の歴史のユダヤ史である。更に別の意味において今度のヨーロッパ大戦でユダヤの避難民、あれが今日楊樹浦に入っておる。
今日支那におけるユダヤ人は三つに区別しておる。開封に来たもの、それから印度から移って来たサッスンのような今日の既成財閥となっておるユダヤ人、更にドイツを逐われた最も多数の三万以上の避難民。こう三つに区別してよいと思うのですが歴史的のものを抜いてサッスン以後のことをお話したいと思う。
ユダヤ人から言わせれば、例えばソーファー等は上海はユダヤ人の楽園だとはっきり言っておる。此処へ来ることはまるで自分等の発展の地として目がけて来ておる。これは(冊子を示し)私の書いた諭文なんですが、サッスンが来たのは最初はダヴィッド・サッスンで一七九二年から一八六四年まで生存していたが、これが今日のサッスン家の先祖でその子供が、サー・アルバート・アブラハム・サッスン、その弟がサー・エーディー・サッスン、それの子供がサー・セコブイ・サッスン、サー・エドワード・サッスンというようなものになる。一方にはサー・アルバート・サッスンの子がエドワード・サッスン、こういうようなものがユダヤ・サッスンの子供が三人印度から来て上海の土地、殊に土地が主なものですが今日の大なる資本を作ったのです。
それでそうなってからサッスンが結び付きをしたのが重慶の俗に言う逝江財閥との繁がりで、逝江財閥はすなわちサッスンの資本への恊力によって動いておるのだということを言われておる位でして、サッスン銀行と国民政府というような関係が極めて密接なものになっておるわけです。そのサッスン銀行とそれからイギリス系の対支輸出商社組合というものが更に支那の重慶銀行の中国農民銀行、中国銀行に関係を結び、それが間接に香港上海バンクあるいはバンコックのイングランド銀行というものに結び付いて、その別働隊として働いておるのが支那政府の重慶側中国建設委員会となって、今日の政権の財閥方面を掌握していた事実から見ても、今日の支那事変というものがユダヤ人と最も密接な関係にあるということは見逃すことは出来ない。
これは確報された事実ではないが、一つの説として我々の記憶に残っておることは、ここで最初に北支事変が日支事変に展開した時の動機になった大山事件の――大山大尉及び斎藤一水を殺したその犯人は実はフリー・メーソンの使嗾を受けたものであるということを当時言われた。サラエボのプリンチップと同じように大山事件にもフリー・メーソンの魔手が働いておるということを聴かされた。これは別に確報されておりませんからコンファームする必要があるが、そういうような関係があるので、日支事変というものを突き詰めて行くとやはりフリー・メーソンが、更にその奥にユダヤというものが動いておる。
サッスンが何時もニューヨークに行き、印度に行って言っておることを聞くと、日本の問題について最も深い関心を持って、それに種々な批判を加えておるということも、やはり彼等がいかに日支事変というものに大きな関心を持っておるかということが分ると思う。それがまあ……現代になってのユダヤ人の上海における暗躍というか、動きですね。
本社 そこで一つお訊きしたいのですが、第一次上海事変当時国際連盟の調査団が来た……
浜野末太郎 ライヒマン・アースですか。あれの調査もイギリスの手によって完全に懐柔してしまうというのが当時の彼等の考えだったのではないか。
長谷川泰造 満洲を国際管理下に置こうというのでしょう。あの論文を書き上げたのはフランスから来たアースであって、あの時にフランスの代表であったのが将軍の名前を何と言いましたかね、そうクローデル将軍がこういうことを言っておる。
自分は国際連盟のあの連中と附合うのに非常に困難をしたけれども、自分の国の代表であるところのアースと自分とを旨く折合いをする程に難かしくなかった。アースと一緒に仕事をするのは非常に難かしかった。
クローデル将軍には私もあの当時一緒に附いておったのですが、この人は非常な親日家であった。これは日本にとっては非常に有利なように色々な事を運んでおった。具体的なことはちょっと申上げられないのですがね……
本社 満洲に投資するとか何んとかという論があったのですね?
長谷川泰造 (六十七字省略)
本社 満鉄を買収しようと言ったハリマンはどういう関係があるのですか?
浜野末太郎 あれは小村侯が横槍を入れなければ、あの当時満鉄は恐らくハリマンの統率下に入って、今日国際鉄道というものがやはりアメリカのユダヤの手の下に入ったでしょうが、幸いにして小村侯が……既に桂総理とアメリカの代表と仮調印したのを破毀させたのですがああいうような手はユダヤ人が国際的の取引あるいは条約によって、よく打つ手だ。
本社 日本が満洲国を盛立てて行くということはイギリスとかアメリカとかユダヤ系の国家にとっては非常な□の種なのですネ。
浜野末太郎 ユダヤ人の国際主義がこれと対立的の国家主義及び国家思想を破壊するということになると、今日一番国家思想の強いのは日本とドイツなので、ドイツを逐われたユダヤ人がドイツに対して最も含むところあると同時に、日独伊軍事同盟からしても将来ユダヤの国際主義を樹立するのに一番邪魔になるのは日本ですから、彼等は日本国民を堕落させ、日本を国家主義から国際主義に移すということに最も目標を置いておるところだと思う。
長谷川泰造 ユダヤ人が満鉄を狙ったことについて、もう少し経済的に考えたら……交通的に考えたら、満鉄というのは鉄道としては世界一の地位にあると思う。それはなぜかというとヨーロッパとアジアを最短距離に結んでおるのが満鉄であって、ヨーロッパからアメリカに行く場合でも汽車を利用して極東にまで出て、極東からアメリカ行の船に乗るという手も考えられるから、アジアとヨーロッパを最短距離に結んだという点で非常に重要な鉄道ではないかと思う。その点にユダヤ人が着目しないということはあり得ないですね。
本社 フリー・メーソンの一員として蒋介石の、重慶政府の対ユダヤ政策で、何か表面に現われたものはないですか、支那事変なんかと関係があって。
浜野末太郎 重慶政府はユダヤのことは呑み込んでいても一つも外に出さないのではないか。
長谷川泰造 事変前には外国の顧問というようなものが、前の国民政府の中に三百人位入っており、その三百人の連中が活躍しておった。これは今から考えて見るとユダヤ人ならざるドイツ人その他の国民なんかがおったのですが、これなどもユダヤ的色彩のかなり濃厚なものが多かったのではないか。
本社 アメリカから来ておる私設顧問のラテイモアを始め各専門家が来ておるし、最近ではマグルーダーという将軍が来た。その他経済関係のコクランやフォックスとか、この間帰ったグレーデイ等沢山往復して重慶とアメリカとの関係が人に依って繋がっているようですが、結局そういう人間がどういう系統のものかということがかなり重要視されるが、これについてはどらでしょうか?
長谷川泰造 それは私はよくはっきり申上げられませんが、事変前に蒋介石に附いていた人間で一番重きを置かれていたのはモリス・アブラハム・コーヘンでこれは非常な勢力を持っていた。これは外国の新聞で見たが、この男は支那の実際の参謀総長であり、外務大臣であり、大蔵大臣であるというようなことが書かれておった。
モリスは元はドイツで生れてイギリスに渡って、イギリスではホワイト・チャペルに住んで、学問してその時に支那の亡命家に相当の知己を求めて、支那語もそこで習った。それからアメリカに渡り銀行業をやってしこたま金を儲けてその上で支那に渡って来た。アメリカにおる間にはポール・ワーブルクというクーン・ロエブ商会の親玉、連邦準備銀行の親玉である人間と関係を結んで、そうして支那に来ておる間、支那に対する工作費としては全部ポール・ワーブルクから出させていた。これが絶大の力を持っていたということをいわれております。
浜野末太郎 モリス・コーヘンですか、アブラハムだったか、私が孫文と広東から□関に行った時に、私の知っておるのにモリスというユダヤ人があった。カナダから支那に来て、カナダではボクシングの教師をしていたとか、それが孫文の護衛として附いていたが、学問もなし、ただ力があるというので孫文の護衛として連れて来た男ですが、それが護衛であるので最初カーネル(大佐)の称号を与え、孫文が死んでからは孫科に附いていたが、香港ではこのモリスがゼネラルだと言っていたが、あのモリス・コーヘンとは別でしょうね。
長谷川泰造 今浜野さんのお話を聴いておると同じじゃないかという感じがする。蒋介石に初めから附いていたのではなく、最初は孫文に附いていたということはちゃんと私も本で読んでおる。これはネスター・ウエブスターの本の中にある。本の名前はトレール・オブ・サーベントというので、その外に「地下連動―秘密結社」という本の中にもある筈ですから……
浜野末太郎 若しあのモリスだったら学問の無い男で、最近は孫科と喧嘩をして呉鉄城と香港に暫くいた、これは昭和十二年に香港で会ったのですが、あれだったら銀行とかそういう方面には関係しなかったでしょう。
長谷川泰造 それはカムフラージュされていたということはいえないか。
浜野末太郎 余り頭の無い男ですが。
本社 次に上海におけるユダヤの経済力等について今島さんどうぞ。
今島凡骨 なかなかこれは重大問題で私の少しばかりの調査を報告するとしても、とても二時間や三時間では述べつくせないから、詳細は又の機会に譲るとして、極く簡単にサッスーン財閥を中心とするその関係企業と言うようなものを一瞥して次に在満ユダヤ人との関係に就いて概述させて頂きたいと思う。
在支経済を支配しているイギリスの経済力はこれを構成する民族資本的見地から見れば、大体ユダヤ系資本とスコットランド系、つまり、純イギリス系資本とに二大別出来る。前者は主として香上銀行の傘下にサッスーン財閥を中核とするセファルジム派ユダヤの大コンツェルンで、後者は麦加利有利の二銀行を中心とする恰和、太古の両財閥である。しかしこれが決定的経済力を有するものは、素より前者で、イギリス在支権益約四十億元(事変前の調査)と称される三分の二は、挙げて前者の投資に掛っていると言う事実によっても確かである。
今ユダヤ財閥の中核サッスーン財閥の関係企業を瞥見すれば、一方香港において香上銀行に資本参加すると共に他方上海においてはE・D・サッスーン洋行が「テビット・サッスーン」洋行を組織し、これを通じて中国建設銀公司、揚子江銀公司と連携し、一方又中国農民銀行に出資して浙江財閥と包含し、更にその他の各企業においても支那土着資本とほとんど反間的に連繋している。
而して上海における金融関係を見るにE・D・サッスーン銀行を中心に、中国国際投資信託、アーノルド信託及び揚子江銀公司と関係して上海における信託を左右し、不動産方面に在っては華懋洋行、中央地産及び業広地産を擁して首位を占め貿易部門に在ってはアーノルド洋行が中心となって恰和洋行につぐ勢力を有している。而して上海における公共事業に至ってはサッスーンの関係なきもの絶無と言う実情である。
こうしてサッスーン財閥の中核E・D・サッスーン洋行は、カドーリー財閥の中核カドーリー又子洋行を始めとし、エズラ、ハードンヨセフ等のいわゆる国際ユダヤ五大財閥の関係各諸会社にも資本参加し他方又スコットランド系財閥の中核恰和、太古の両洋行関係企業とも相関連して香港、上海を中心に在支経済界に君臨している状態です。
次に在満ユダヤ人との関係ですが、現在上海に本店を置き満洲主要都市に各支店を有する外系諸会社を見るに、いずれも直接又は間接的にユダヤ資本の注入を見るか、然らざるものでもその高級社員の多くはユダヤ人に依って占められている現状で、何等かの形に於いて在満ユダヤ人と関係があるが、今その主なるものを挙げてみると哈爾浜、奉天、大連に各支店を有する香上銀行及び直接ユダヤ資本の参加はないが、前者の密接な取引関係にある啓東、ロパー、キーストン等の英、米煙公司子会社がある。
而して大連に本店を有し上海、奉天、哈市等にそれぞれ支店を有するものに百利洋行及び奉天、哈市安東、その他に子会社乃至支店を有するものに、祥茂、仁記、和記平和、瑞記の諸洋行を始めとし、哈市に在っては「オークン・アルコーン」「ペイント・ファクトリー」マルス製菓「スエトコ・スイス」「ブランスウィック」等大小三十数社がある(以下二十行削除)。
本社 イギリスの概益をアメリカが肩替りしてるというような見方をしている者もいますが。
浜野末太郎 イギリスが極東から手を引き、それに代って来るものはアングロ・サクソンのアメリカである。ですから一九三五年十一月五日フィリッピンをコンモンウエルスとする約束をしたが、今では全くこれに反しフィリッピンの独立を許さず、更にこれを星条旗の下に今後も置こうとしている。
そうしてフィリッピン人をしてあくまでもアメリカの旗を翻して独立を希望するものではないという運動を起しておる。これは昭和十年迄のアメリカの形勢とその後のアメリカの対東洋政策というものの変更がそこにある一番分り易いものと思う。
昭和十年の初め頃に上海のイヴニング・ポストが支那弗五十万弗で売りに出た。アメリカとしては当時もう極東から手を引き、フィリッピンにも独立を与えれば機関紙の必要もあるまいというので、財政的にも当時は良くなかったので、五十万弗で売りに出した。しかし五十万弗では高い、三十万弗及至二十万弗位と言って話がつかなかったので、そのままとなってしまった。昭和十年です。
それが今ではむしろあくまでこれを維持するということになって来ておる。この具体的の事変を見てもアメリカが昭和十年を境として極東から手を引こうとした事実が分る。今イギリスが手を引いた場合に、アメリカがそれに代って来る、こういうような情勢にならなければアメリカは極東に手を伸ばそうとは思わなかったのだが、イギリスが一歩後退、二歩後退するに随って反対にアメリカが一歩前進二歩前進して来たわけだ。
本社 それから一時はサッスーンなんかも日本の財閥に事業を移管して香港の方に行くというようなことがあったのではないですか?
浜野末太郎 あの頃とはちょっと情勢が変っておる。サッスーンの立場は別ですが、印度から移したと同じように、全部退却はしないまでも例の南米方面へ形勢が悪化すれば持って行くかも知れない。
本社 それでは上海におけるユダヤ避難民問題についてお願いします。
浜野末太郎 このユダヤの難民が最近ドイツを追放せられて来たかということで、一番彼等に有利なのは、ドイツ、オーストリー等における支那の総領事がユダヤ人の支那行に対して容易に査証を与えたことです。
それは蒋介石政府の財政救護のために、本国政府から在外公館の経費支弁にも窮しておるので、手数料さえ出せば収入第一主義で査証を与えてくれる。すなわち一人当り五千マルクの手数料で査証が取れるいうので手続の面倒な国へ行くよりも支那へ多数のユダヤ人が来るようになった。
第二の理由として彼等の民族性からいって米国に行くには生活費が高いし、渡航条件が困難である。といってフィリッピンやミンダナオに植民地を作るということは彼等の民族性からいって困難で結局支那へ来ることになった。
第三の理由は支那においては他の諸国におけるような差別待遇とか迫害を受けないので、上海が彼等に取っては楽園であるという点でありましてこの点についてはセシル・ローズという人が書いた「ユダヤ民族小史」に全亜細亜においてユダヤ居住地域として不便のないのは支那と印度であると書いてあります。
それから先程も申上げましたが一九一九年十一月の二日にバルホアーがパレスタインにユダヤのナショナル・ホームを作るということを約束した時に、当時上海のシオニスト協会に対して支那政府はイギリス政府と同様ユダヤ人の祖国建設に満腔の同情を□に表するということを表明して、シオニストの協会から支那政府にシオニストは感謝するということを書いておる。
ユダヤ人から言いますと、上海というところは、最も望ましいところであり、殊にユダヤ人の往くところは必ず大都会であった。彼等の目標とするところはアメリカでもニューヨーク、シカゴというような都会であり、上海はユダヤ人に取っては適切な国際都市であるということがここに来だした理由であると思う。その結果今から見ますと昭和十三年未頃からヨーロッパを追われた彼等で船客は一ぱいで、一昨年十一月コンテ・ヴェルテ号等は九百人乗っておった。
それが全部上海に上陸して、しかも彼等は装飾品とか手廻品は相当持っているが所持金は少なく上陸早々生活にも困り救済委員会で収容所を建設し、その当時サー・ビクター・サッスンが十五万支那弗を寄附して難民救済に当った。ところがこういう調子で上海に来ましたために、ユダヤ人が増えてこのままで増えて行ったならば困る。これは工部局当局だけでなく日本側としても事変以来支那の難民が殺到して困っておるところへ、更に外国からこういうユダヤ難民が来られては困るというのでユダヤ□要しない。
支那事変は、東亜に対する白人
ところがもうその時には既に遅く二万六千と領事館の方では言っておりますが―その後我々が大体種々の見当から見て先ず三万二、三千から三万五、六千にはなっていると思うのでありますが―入り込んで来ていた。そうしてこれ等のユダヤ人が最初来ました時に金が無いので、華徳路、愛而考克路、平凉路、荊州路の建物に約八千人の収容所を造って、そこへ収容した。
それで最初来ました時の全収容者のマネージャーであるユダヤ人ワインバルクに訊いたのですが、一体こんなに入って来てどうするのかと。そうしたら、今は職業を持っていないが、今後一、二年後には恐らく大部分の者が職業を持つ事になるだろうと思う。そうして我々はここを安住の地として将来の生活を立てるのだということを言ったのですが、これは成程ユダヤ人から言えば安住の地かも知れぬが、今まで言ったような我々の考え方からすると国家主義を破壊し国家思想をぶち毀すことを目的にしておる国際主義の思想の持主であり、陰謀のやり手であるユダヤ人が日本に一番近い、しかも皇軍の占領地区に彼等が永住するということは非常に危険なことである。
これについては私は当局として何等かの方法を執らなければならないのではないかという事を考えたのですが、これに対して色々な解釈をする向きもありまして、ナーニ八紘一宇の大精神の下に包容してやれば宜いんだということを言う方もありますが、これは成る程数の少ないものが入って来て、そうしてそれが旅行者とかあるいは一時的の見物視察者というような意味であるならば問題ないが、ここを永住の地として一船で九百人も増え今日では三万何千となり、支那における外国人として日本に次いで第二の多数を占めたということは最も警戒しなければならぬことではないか。それも普通我々が考えている第三国人でなくして、ユダヤ人というものの民族性、彼等の性質を知る時において、これは最も油断のならぬものであります。
ナチスの人の話でありますが、上海に来ておるユダヤ人はこれはドイツにおいても最も性質の悪い犯罪的素質を持った者が多いのだということを言っております。これは楊樹浦行のバスの中に多くスリがあったとか、最近犯罪が頻繁に行われるというようなことも楊樹浦における難民ユダヤの素質からいって当然なことだと思う。
それからもう一つこれは先程の宣伝の問題に繋がり話はちょっと横道に外れますが―当地の英字新聞はドイツを追われた難民ユダヤが犯罪をした時には決してユダヤ人が悪いことをしたと発表しない。ドイツの移民がスリをしたとか何とか必ずドイツ移民という字を便用して、あたかもドイツ人が悪いことをしたような印象を与えておるのですが、一度何かユダヤ人が善い事をしたというような場合にはジユー、ユダヤ人という字を使っておる。いかに宣伝というものに気をつけておるかということが分る。悪い事をした時には決してユダヤ人ということを言わない。Jという字が附いておるのはパスポートだけですが、それをユダヤ人とせずにドイツ移民というように悪名を宣伝の一つとして使っておることもやわり我々は記億に止めて置く必要がある。
こういうようなユダヤ人が今日三万人以上も楊樹浦に巣喰っておる。そうして彼等が何をやるか、恐らく彼等のやることは決して労働はしないのですから先ずカフェーを開店するとか、あるいは音楽家になる、あるいは洋服の生地を売って歩くとか、ぶらぶらして何か仕事にありつこうとしておる、手足を労せずして金を儲けることを考える。
浜野末太郎 最近このユダヤ人が考えついたことは、上海は住宅難が酷いのでそこにつけ込んだのが彼等で、先ず新聞の部屋貸広告を見ると必ずユダヤ人が行って、先ず大体の見当を付けてそのアパートに手付を打ってそうして後から来た人にそのアパートの貸す権利を高く売付けるというようなことをやっておる。
これは英字新聞でも最近書いておりますが、そのアパートに行って見ると先に大体借手がついておる。それでは借りるのかと思うとそうではなく先ず手付金を行って置いてこの借りる権利を高く売るのである。これはユダヤの地主あるいは家主と結託をしてそういう方面に手を伸ばしておる。
それからもう一つは支那人がストライキをやる。この前の瓦斯会社の大きなストライキがあったが、この会社の重役会長であるエリス・カードリーがユダヤ人でストライカーの代りにユダヤ人を入れたのは当り前である。
それからカセイ・ホテルの時のストライキにもやはりユダヤ人を代りに雇入れた。それに最近では欧洲戦争のためにどんどん外国人が本国に帰り応召して行く者が出て来た。その後義勇隊その他手の足りないところへ誰が入り込んで来るかというと皆彼等でありますからして、すなわち今までのイギリス人あるいはアメリカ人その他の者に代って入り込んで来たのがこのドイツ難民であるユダヤ人である。
パスポートこそなるほどドイツ称であるが、彼等の思想からいって全く□□とは反対の立場にある。むしろ英米系のユダヤ人が、この上海に勢力を置いて来る。今までは財閥によって支配された上海に今度はそうした数において更に強いユダヤ人が根を張って来るのではないかということを考えると私共は非常危険な感じがするのです。
本社 それからABCD包囲陣とユダヤ力の関係を……
浜野末太郎 資源獲得という上から言ってアメリカとしては仏印まで日本が伸びることは問題ではない。イギリスとしては泰国に手を伸ばされることは怖ろしいが一番困ることはゴムと錫、石油の資源である。
だから蘭印に日本の手の及ぶことを怖れて、これを妨害牽制するのは…之を牽制して日本が蘭印に手を伸ばさせないようにしなければならぬというのがアメリカの政策で、この石油の利権を誰が持っておるかといえば、これはユダヤの力であり、それから錫の如きもマレーの錫と同じに大部分がイギリスのユダヤの資本でコントロールされておるというようなことから、今の蘭印を中心にした南洋の資源が日本の手に落ちるということは、ユダヤから言うと、彼等の資源を日本にその備コントロールさしてしまうから、どうしてもアメリカをて、日本が蘭印に手を伸ばすことを牽制するその場合に戦争になることは困るので、そこだけは何とかして保ちたい、それでいよいよそれが出来ないならば、蘭印の油田を全部爆破してしまう計画まで出来ておるということを宣伝もしている。それだけアメリカのユダヤ人は躍起になっておる。恐らく日米問題の色々なキッカケになるのが蘭印であると思う。
本社 それでは今度は角度をかえて長谷川さん、ユダヤ人の政治家利用について。
長谷川泰造 世界中のユダヤ人が全部で千六百万人おるとして、世界の人口の百四十分一位しかないわけですが、その百四十分の一しかないユダヤ人が世界を動かすような離れ業を演じておるのは何処に原因があるかというと、各国の要路にある政治家その外重要人物を彼等が利用することが出来るという点にあるだろうと思う。
その彼等が政治家を利用する時には必ず過去に暗い蔭のある人間、しかもそれが余り世間に知られてないような人物を―用する。それ等の人物が一流の人物になるように彼等は仕上げる。その上で何処までも彼等の財産として利用する
一番好い例はウィルソンですが彼は世界大戦以前にはブリンストンの大学の総長をしておったが、その時に暴露されたら一大事の婦人の関係あった。その婦人の関係があったということを見て見ぬ振りをしたのがユダヤ人の一方の団長であるバーナード・バラックで、この人は相当重要な人物で現在はルーズヴェルトのブレーントテストの一人として活躍しておるが、世界大戦中にはアメリカの兵器委員長を勤めてアメリカにある兵器工廠のほとんど全部(僅か二三の例外を残して)を左右しておったような人物で、そのバーナード・バラックがウィルソンを利用することを考えたわけです。
これを一流の人物に仕上げて利用しようと、ウィルソンは一九一一年にニュー・ジヤージーの知事に持って行かれた。大学の総長をしておって政治にはズブの素人ですが、その素人のウィルソンをニュージヤージー州知事に持って行った。ニュー・ジヤージーは御承知の通りペンシルバニア鉄道のあるところで満鉄を構取りしようとしたところのユダヤ人ハリマンが相当の勢力を持っておる。ハリマンと申しましたところでユダヤ人のセコブ・シッフの乾児ですがそれが勢力を持っておるニユー・ジヤージーにウィルソンを持って行った。
その翌年の一九一二年は大統領の改選期であった。その時にはウイルソンを大統領候補者として立たせた。そういうこともバーナード・バラックその他クン・ローブ商会のワーブルクあたりがこれを工作した。この時はフーウアとかタフトが競争者として活躍したが、ウィルソンは絶対多でもって大統領に当選して、そうしてユダヤ人の思いのままになるような人物になった。
先程申したような、ニュー・ジャージーのような小さな州から大統領を選挙するというような例は未だかつてなかった。それから一九二〇年にヴェルサイユの平和会議が開かれますと、ウィルソンが出かけて行った。大統頷が任期中に海を越えてヨーロッパに旅行するというようなことも、アメリカとしては絶対にそれまで例のないことで、これは不文律としてそういうことはないように決められておったようなものであったが、それをさえ破って平和会議に出て行った。
それからウィルソンは非常な独断的な性格の持主で、それについて非常な非難を受けておりましたが、ウィルソンが独断的な性格をを持っておるのでなくて、何時もバーナード・バテックが蔭に隠れていて、彼の言うことはウィルソンは必ず聞かなければならなかった。そういう関係にあった。平和会議の時もバーナード・バラックはウイルソンに随行して行き、そうしてアメリカへも一緒に帰って来た。そして新聞記者とのインタービューの時、俺はジョージ・ワシントン号で帰って来たということを語ったそうですが、それはウィルソンと一緒に帰って来た、ウィルソンの行動は全部見届けてその上で一緒に帰って来たということを言っておるわけです。
この平和会議で問題になったことは大体はウィルソンが提案したのですが、その第一提案は国際連盟の設立である。もう一つは少数民族法案連過、この二つでありますが、これは二つともユダヤ人の利益を主とした問題であるということを考えて見ると、ウィルソンがいかにユダヤ人の利益のために行動しておったかということが分るのです。
これはウィルソンの例でありまして、このアメリカでは女の関係が問題になる。アメリカにおいては女の問題を捉えること、それは必ず利用することが出来る。これをイギリスに時って行ったらどうか、イギリスでは女の問題は問題にならない。
イギリスではロイド・ジョージがユダヤ人の思いのままになった人間ですが、このロイド・ジョージを考えて見ると、彼は大戦期に大蔵大臣をしておりましたが、この弟であるルファース・アイザックスを通じてゴットフレー・アイザックはロイド・ジョージと印合になった。
ゴッドフレー・アイサックはフメリカからマルコニー無線会社の株を□って任職中に弁護士のルファース・アイザックスと印合になった。これは名前の示す通りユダヤ人でありまして、彼の兄にゴッドフレー・アイザックスというのがおりますが、これはアメリカのマルコニー無線会社のロンドン支店長でありました。
そうして沢山の株を持って来たのですが、それをロイド・ジョージにも分けてやり、それから時の首相をしたアスキスにも分けてやった。その外ユダヤ人で逓信大臣のハーバート・サミエルにも分けてやった。色々の政治家に分けてやった。そうしてマルコニー無線電信というのは非常に古い特許で大した値打はなかったが、これをイギリス中に拡めるようなことを考えて、そうしてマルコニー会社の株を上げて行った。終に三倍になり四倍になり、ロイド・ジョージは千株分けて貰ったが、その株が非常に□□した時にこれを売ってしまった。外の政治家もこれを売ってしまった。
もちろん当のルフアース・アイザックスも高くなったので之を売ってしまった。そうして莫大な金を儲けたわけです。これは後にイギリスの議会の問題になり、非常な討諭を□わしたのですが、ロイド・ジョージは自分の家の財産の表まで作って自分の潔白を証明するというような事で見がついた。この事件以来ロイド・ジョージはユダヤ人に頭が上がらなくなって、彼が首相となると同時に、大臣としてユダヤ人が二人内閣に入って来る。四人の枢密顧問官が出来る。その他警視総監であるとか、あるいは検事総長であるとかそういうようなものを皆なユダヤ人で占めてしまうという状熊であった。ロイド・ジョージ等の□失墜すると同時に、これ等のユダヤ人も皆なその要職から退いてしまった。
以上は英米だけの話でありますが、フランスにおいても同様にボアンカレー、それからブリヤンなどやはり脛に傷持つ男で、ボアンカレーはスエズ運河が大戦期フランスからイギリスに売渡される時の事件に関係しておった。そうしてこの時の、リセッフス事件と言いますが、スエズ運河を開発設計した男に絡まった事件があって、その事件に関係したフロスバー・ネグメリー会社から莫大な賄賂を貰っている。
それ以来ホフンカレーはユダヤ人の言うままになっている。ブリヤンは満洲事変の時に国際連盟において日本に楯を突く時に非常に活躍した男でありますが、このブリヤンは一九〇五年に彼の郷里であるサン・ナゼールで強姦の疑によって数箇月の懲役を喰った事がある。その時に弁護士としては弁護士会から除名されるというような事件があった。それも余り世間に知られずにおったので、それをユダヤ人が利用して、彼を政治家として成功させ、そうして思□いうような事熊も起った。これはホンの二三の例に過ぎないが、こういうような事件は沢山あっただろうと思われるのであります。
それからちょっと日本の政治家についても申上げたいと思いますが日本ではユダヤ人とは願もスッカリ双っておるし、民族として非常に容易く区別することが出来る。そのためにユダヤ人が日本の代表として出かけるというようなことも不可能であるし、ユダヤ人が政治界を牛耳るというようなことも不可能であるかも知れないが、ここに怖れなようならぬのはユダヤ人にのつびきならぬような人物が出来るということでありまして、大開においてユダヤ人は金と女というようなものを持って来て政治家を利用しようとしておりますから、その点について充分に□政をしたならばよいと思う。
本社 最後にユダヤ利用とそれから排ユダヤないし親ユダヤの問題がある。宇部宮希洋さんあたりは「今まで何処の国にしらユダヤを利用しようとしたことは、それは毛唐の考え方をしたからいかんので、日本は八紘一宇の大理想をもって本当に彼等に道義的に臨むならば、彼等だって同じ東洋民族であるし、「絡になって行けぬことはない」というようなことを営っておられるのが私の注意をひいたのですが。
浜野末太郎 ユダヤ人はユダヤ人としての一致した考え方があるので、しかもユダヤ人を利用する場合にユダヤ人以上の金力実力を持ってこれをコントロールするならば初めてなし得るのであるが、さもななして、ユダヤ人に対抗し得るだけの経済力を持たずしてこれを利用することは必ず失敗に終るのであります。過去の歴史からもカイエルやナボレオンもユダヤを利用しようとして失敗したのであります。ちょうどそれと同様に、今日上海において我々が財力を持っておる既成財産と数において多くなって来ておるこのユダヤ人を利用しよう、それには彼等に安住の地を与えることによって我々の傘下に馳せ参ぜしめることが出来るというような考え方をしておるのですが、これは大きな誤謬であると思います。
というのは、これは利用論が出た時には、ある種のユダヤ人は非常に恩恵としておるというようなことを会ったのですが、その当時のチャイナ・ウイクリー・レビューの如きは―ユダヤ人はなるほど楊樹浦に入れて貰ったことに対して、日本人に対して表面は有難いと言っておるが肚の中では心の底から有難いと思っていない。
ユダヤ人収容所であるとか、彼等の経費は何処から来ておるか、それは上海のユダヤ人及びアメリカのユダヤ人から来ておるのではないか。それと世界的のジョイント・ディスツリビューション委員会、既ち同族救済委員会であるがそこから来ているので(当時約米弗二万弗が毎月来た)こうした金が来てそうして収容所はユダヤ人であるカードリー・サッスーンの持っているものに住んでいる。日本人には恩恵を蒙っていない。収容所も我々に対する経費も我々の同族が出している。ただ我々に住居を与えるというだけで何んでこれを恩とするか。
ということを裏では言っておったのでありまして、こういうことからいっても肚の中から決して我々に恩恵を感じていないのでありますから、昨年の工部局の市参事会員の選挙の時でもユダヤ人を利用して日本人二名(現在三名)を一躍五名にしようという目算を立てたのですが、これも実は思うように行かなかったのは、ユダヤ人が決して我々日本人のために協力するものでないということが結果から判るのであります。先ず私達の考えでは利用不可能であるという結論に達するのです。
長谷川泰造 ユダヤ人の政策というものと、日本の八紘一宇の精神というものを一対比較して考えてみなければならぬと思う。ユダヤ人のいわゆる世界征服の野望はどこまでも排他的なので、他民族は大猫同様どうなっても構わぬ。自分達の民族だけはこれは神の選民として栄える権利があるのだと思っているので、八紘一宇の精神というのは、決して他民族を排斥して他民族はどうなっても構わぬというようなのでなく、これは世界を一君万民の神の秩序ある国家に造り上げるというのが八紘一宇の精神である。
それならば片つ方は世界征服というような排他的の野望を持っており、我々は世界の民族を一丸としたような非常に円満誠な理想を持っておるのである。これを対立させて考えることはもちろん出来ないのであって、それかといって、彼等の野望をそのままにして我々は八紘一宇の精神の中に入れるということも出来ないのである。この点など宇都宮希洋さんにも分って頂けると信ずる。
酒井広治 ちょっと長谷川さんに質問があるのですが、長谷川さん達が言われるところのいわゆるユダヤ禍でこさいますが、彼等は世界のあらゆる民族をゴイと称してそれを利用しようとしておるが、そういうことは又逆にイギリス人つまりアングロ・サクソンがユダヤ人を利用したり、それからアングロ・サクソンを中心とするアメリカ人がユダヤ人を利用しておるというような見方は出来ないものでしょうか?
長谷川泰造 これは本当にあることと現われたこととごっちやにした考え方ではないかと思う。本当にあるのはユダヤ人を利用は出来なかったのである。
それから我々の眼に現われたのはユダヤ人を各国が利用し得たと、そういう風に現われておる。そう見るのが本当ではないかと思う。例えばイギリスはユダヤ人のお蔭で東洋辺りにまではびこって来非常に勢力を残した。アメリカもユダヤ人のお蔭で経済的に世界に覇を唱えるようになった。いかにもその状態を見た時にイギリスもアメリカも非常な発展をした。これはユダヤ人のお蔭ではないかというようなことも考えられるが、それをもう一つ深く考えて見ると、一体イギリス人のイギリスというものは現在存在しておるか、アメリカ人のアメリカが現在存在しておるのか。
斯く見た時に、イギリス決してユダヤ人を利用し得たのではない、アメリカもユダヤ人を完全に利用し得たのではない。そういうことが言い得られやしないか。
本社 要するに廂を貸して母屋を取られたというようなことになるのですね。
長谷川泰造 そういうふうに考えなければならぬのではないかと思います。
本社 そうすると日本人のユダヤ利用はやっぱりそういう敞腹むのではないかと……大和民族はどこかへ抛り出されて、国際法上の日本は栄えても、その中の御主人公は、蓋を開けて見たらユダヤの勢力が入っておったというようになるのではないかと思われるのですね。
長谷川泰造 私はそういう風な考え方はしない。日本という国は決して亡びる国でもなければ、又日本人は他民族のために支配されるというような民族ではないと、さらいうことを私は提唱しておるのでございます。それで私が利用していかんというのは、ユダヤ人を利用するというのは何を利用するかといえば金を利用するかといえば金を利用する、物質を恵んで貰うとか、そういうことをユダヤ利用論者は考えておるが、私達は金を借りたって決して日本の国力が発展するものではない。それから文々物資を恵んで貰ったって、日本がそのお蔭でもって伸びて行くのではない。日本を伸ばすものは日本の内部の力でなければならないと考える。それですから金を借りたり物資の供給を得たりしたならば本当の日本の力は出て来ない。
本社 日本人が過去において一般に確信しているユダヤ利の事実がある。これはつまり日露戦争で何かの金を借りた。それで大いにユダヤの援助を受けたと日本人は考えているわけなんです。その結果がどうであったか。果してこれが日本人が考えているように利用したのか、かえてユダヤ人に日本人が利用されたのか。そのところをお話願いたい。
長谷川泰造 フランス革命で西部のヨーロッパにおけるユダヤ人は解放されてしまった。それから東部におけるユダヤ人も徐々に労力を発展さしておった。それから最東部にあるところのロシヤにおいてはかなりの迫害を受けておる。このロシヤにおけるユダヤ人を救わなければならない。ユダヤ人は□国を東欧の大□族といっておるが、この大□族を救わなければならないというようなことを考えておった。
この日露戦争を起したのもロシヤ人が起したとか、あるいは日本人が攻撃を始めたとか、そういうことを考える前に、ロシヤのったかということを考えなければならぬ。これにはウィッテの力が大部分でウィッテの妻はユダヤ人であって、ウィッテはユダヤ人と切っても切れないものがある。ロシヤの東漸政策を助けたのもフランスのロートシールドが財政的に非常な援助を与えておった。
段々東漸して日本にぶつかって来たのもウィッテの蔭にユダヤ人があったからということも言い得られるだろうと思う。その時に日本も朝鮮にまでロシヤの労力が伸びて来るということは黙視出来ない、当然戦争にならなければならないということになった。
この時に日本は財政的に困っておった。それを日本の財政を助けたのが、高橋是清さんがロンドンに渡って交渉を始めた相手であって、アメリカのクン・ロエブ商会のジェーコブ・シッフであって、仏のロートシールドと米のシッフとの間では蔭でちゃんと手が握られておった。片つ方はロシヤを援助し片つ方は日本に金を貸す。
これはいつも言われる通りユダヤ人の両建主義あるいは分散危険―危険を分散させるという、片つ方だけに投資をすればその投資した片つ方が負けた時には彼等としては無一物になる。それを両方に投資する。そうして危険を分散させる。どっちが勝ってもいいようにしてある。そうして最終の彼等の目的はロシヤを叩くにある。
であるから日本のある将軍がストックホルムに行ってロシヤ革命を工作した時にはジェーコブ・シッフが金を出し、それからジェーコブ・シッフ自身もロシヤに革命家を送るということに非常に努力をした。その結果として一九〇五年の第一次のロシヤ革命が起り、日本は満洲において大勝利を得たのであった。
それからもう一つ考えなくちゃならないのは日露戦争が済むと同時にアメリカにおいては排日ということが起った。実際においてこの排日ということがどこから起って来たかというと、ユダヤ人から起って来た。
その点はフオードの書物なんかにも現われておるがアメリカにおけるユダヤ人の同体あるいはユダヤ人を保護する□□、そういうものは全部排日業を兼ねてをった。そういうことからも分るのではないかと思う。すなわち日露戦争に日本を援助したのは唯ロシヤを撃たんがためであった。ロシヤを撃った後は□く排日の傾向が出て来るのでユダヤ人は決して最初から日本に対しては好意を持っていなかったということも言い得られるだろうと思う。
本社 日露戦争のお話で、大体こっちがユダヤを利用して金を借りてロシヤを撃ったが、豈図らんやユダヤ人からいえば金を貸してやって、高い利子を取上げて、そうしてその上に日本の武力を行使してロシヤを撃ったという結果になったわけですが日本としては重要な満洲を確保し得たということになったのですね。ユダヤの方から言わせると日本の武力を行使させてロシヤを撃ったという、要するに利用したという気持でいるのでしょうが。
長谷川泰造 そういうことになる。先程もお話があったが、ハリマンが態々日本にやって来、満洲にも渡り、満鉄を横取りしようというような計画を立てた。わずかの端金でそれを売渡すような契約までした。その時の彼の意国からいって満洲はどうせ彼等のものになる。日本が戦争によって満洲の権利を称ったところでどうせ経営困難である。当時は戦後の財政難の時であるからあれを売渡さなければならぬというようなことも見込んでいたから……
本社 露国全権としてウィッテが乗込んで行ったのはユダヤの労力を知っておったからでしょうね。
長谷川泰造 熊々ニューヨークのゲットーまで出かけて行ったユダヤ人の長老に握手までしてそのお蔭でもって講和会議の機運が有利になったということですが。
本社 それから後アメリカの資本がソウエートの方に行っておりましょうか。
長谷川泰造 最近のことは存じませんが、物資がソウエートの方に行っておることは事実でありますね。それから戦争以前には五十程のアメリカの主な会社がどんどん資金をロシヤに送って、ロシヤの五ヶ年計画、十ヶ年計画に用いたという記録はかなりある。
本社 要するに、アメリカと共産主義のロシヤが手を握るというようなことはユダヤ問題を通じてからでないと理解出来ない。
長谷川泰造 あれは一九三六年でしたか。リトヴィノフがアメリカまで出かけて行って、アメリカがソウエートを承認するというような時期もあった。
本社 それから今島さん、何か参考になるお話は特にないですか。
今島凡骨 本質論から来たものを常に考えながらユダヤ民族の対策ということを考えなければならない。
すなわちそれは便宜主義の□に陥ったり思付き的泥縄式であってはならないという事である。翻って満洲ユダヤすなわち在満アシケナジム派ユダヤと上海ユダヤとの関係に就て考察して見ると、満洲ユダヤと最も密接な関係にある上海アシケナジム派ユダヤは英国□を主とするセフアルジム派に依存している状態であるから、これが施策については日満支共に一元的でなければならないと考える。
而してユダヤ民族の移民史を見るとき彼等はあたかも根強き雑草の如きものであるからこれを放任したり確固たる対策なき場合はアジアの美田も不知不識の間に侵食さるる恐れ充分にありと云うことを認識する要がある。
ただ彼等の欠点たる農耕に適せずということも直接に武力を持たぬと云うことに着額して根本的な対策を講ずる要ありと考える。私は要するに□にユダヤ問題に限らず□民族工作一般につき次の如き結論を持するものである。すなわち
異民族の指導問題については其の指導者がいかに天才的存在であっても乃至はその工作がいかに鬼神的であってもその指導者の所属する祖国及び民族に依存すること絶対であるが故に、もしその祖国及び民族にして統一を欠き、あるいは国体ならんか、天才も鈍物化し、鬼神も□智恵に終るとは世界の民族与亡史に銘記する処であるから日本国及び日本民族の悠久なる生命力を信仰する我々の特に省察すべき秋と考える。
本社 どうも長時間にわたり色々お話を伺わせて戴き有難うございました。