各方面で主張されているのは、先に列挙したユダヤ人等は、革命がなかったならば、あの様に重用なる職を占むることは、確かに出来なかったろうし、またユダヤ人が革命を起こしさえしなければ、革命等は決して起こらなかったろう、というのである。
ドイツの諸状態は確かに満足なものではなかった。しかしこの不満足な状態は、なにもユダヤ人の手をかりなくとも、ドイツ国民自身の手で始末し得るものであり、またドイツ国民は確かに始末し得たはずである。けれども既にドイツ国民は、ユダヤ人の勢力によって、公徳は破壊され志気は粗相しておって、またこれを改善することは、不可能な状態になっておったのである。
ドイツの国家的秩序を破壊した原因と見るべき、ユダヤ人の最も主要なる影響は、概ねこれを次の三つに区分することが出来る。
なおこのほか「物価釣り上げ」という、最も重用な一つの影響があるが、しかし右の三つは国民に対し、直接有効な作用をなしたものである。
ドイツにおいてはユダヤ人が跋扈している。したがってこの三影響について論じた所のドイツ人の意見は、ユダヤ人の勢力下で、故意に作られたものだと言うので、これによると一般から疑問をもって迎えられるかもしれない。故にここには、ロンドンのグローブの記者ジョージ・ピッター・ウィルソンの言を引用することにする。この人は1919年4月、既に次のような記事を書いている、すなわち
「ボルシェヴィズムとは、全世界のキリスト教諸国民から、残らず財力を奪い取り、そしてユダヤ人全部が団結して、世界の覇権をその掌中に収め、勝手気ままにこれを統治しようという主義のことである」
と、またドイツのユダヤ人は既に大戦第二年に、次の様なことを宣言しておった。
「ドイツ国の敗北は、無産階級の向上のために、ぜひとも必要である」
と、またストリヨーベルは、
「私は公然と告白するが、ドイツが十分なる戦勝を得れば、決して社会民主党のためにはならない」
と述べている。のみならず到るところで、「ドイツが勝てば、無産階級の台頭は不可能である」と宣伝されておった。ここに挙げた例は、単に小数の実例に過ぎないかくのごとき例はまだいくらでもある。
以上の諸例の引用は、何にも大戦問題をここに展開しようとするのではない、いわゆるドイツのユダヤ人が彼らの住んでいるドイツ国に対して、いかなる態度を取り、またいかに彼らが爾余の国のユダヤ人と連合して、ドイツ国の滅亡を策したかと言うに、ドイツ国を軍国主義から解放せんがために、したのでは決してない。彼らの目的とする所は、ドイツ国の秩序を破壊し、混乱せしめんがためであったのである。けだし彼らは混乱に乗じて、その支配権を奪取し得るからである。