ユダヤ財閥の威力は、各国の財政経済に、甚大なる関係を及ぼしていることは、申すまでもないが、今の世の中は金の力がすなわち政治の力である。したがってこのユダヤ財閥の各国政界に及ぼした作用は、更に大なるものがあると伝えられている。例えばアメリカ大統領フーバーの如きは、元々ドイツ系のユダヤ財閥ワルブルグ家の援助によって、その地位を得たと噂されている。彼が在職中ドイツの救済案や、ドイツ賠償金棒引案などを、言い出したのは、要するに右の噂の真相を裏書きするものであると言われている。
また国際連盟日支問題交渉の際、該連盟において活動した各国のユダヤ系外交官はもちろんのこと、仏国及び英国の大臣連中も、あるいはユダヤ財閥によって後援せられ、あるいはユダヤ財閥より莫大の政治運動費を頂戴して、その地位を得ている者が少なくないということは、既に日本の新聞、雑誌にもしばしば散見した所である。したがってユダヤ財閥が、これらの人々を通じて、欧米否世界における各種の事象に対して、その欲するがごとく作用することは、さして不可能の事ではなかろうと思われる。
ユダヤの実際の実力を認め、その隠然たる世界的勢力を看取したならば、時々伝えられる所の、ユダヤ人の各種の策動は、単なる噂として、またユダヤ人に対する一つの誣言として、これを看過し得るのであろうか。