現在のソビエトロシアを、やはり前述のユダヤ政府の継続の如くに考えている人もないではないけれども、1924年レーニンの死後、現在のスターリンが専制的勢力を獲得し、また一方ではソビエトロシアにおける、横暴なるユダヤ政権に対する、一般スラブ民族の反感と覚醒とにより、いわゆる幹部派(スターリン以下非ユダヤ人)、反幹部派(トロッキー、ジュノビエフ、ヨツフェなどのユダヤ人側)の争いとなり、ついにユダヤ政権没落し、スターリン等の天下となり今日に及んだ、しかしユダヤ潜勢力はなお偉大なものがある。

またスターリンも元々共産主義によって政権を掌握しているのであるから、その政策はユダヤ戦法たる共産主義を依然踏襲し、その権力把持に努めていることはもちろんであるが、今ここに現在のソビエトロシアにおけるユダヤ勢力を少し述べて見よう。

これは昨年八月ナーシプチ紙に報道されたる現ソビエトロシア首脳部のユダヤ人名表である。

右の表には貿易人民委員が除かれているが、該委員は委員長ローゼンスリスリツチ以下ほとんどユダヤ人である。したがって海外に駐在する通商代表はいずれもユダヤ人である。その理由は、スターリンがソビエトロシアの経済建設のために適材を適所に置いた訳で、世界資本の六、七割を有する各国のユダヤ財閥との関係上、通商代表にロシア人を任命するよりは、ユダヤ人を任命したほうが遥かに効果的であるのは当然であって、スターリンもこの点に着眼して貿易人民委員には致し方なしにユダヤ人を置いたのである。

ソビエトロシアにおけるロシア人とユダヤ人との人口の比較からいうと、ロシア人1億6千万に対して、ユダヤ人はわずかに2%に過ぎないのに、ユダヤ人が以上のような枢要な地位を占めていることは、ユダヤ勢力の今なお相当以上にあることを物語るものである。

一体自由平等の理想を看板にしている所の、共産ソビエト国家には、民族的偏見などあるべきはずがないように思われるのであるが、ユダヤ民族とスラブ民族との抗争は、今も依然として行われている、否むしろ帝政時代よりもユダヤ人の勢力が一段と向上しただけそれだけ激化している。以前ロシア大帝国を滅亡させるため彼らが活動した当時は、一時仲よく互いに協力したように見えたが、いよいよその目的を達すると、またよりが戻って、民族争闘は大っぴらに行われだした。すなわち幹部派、反幹部派の争い以後今も争闘が止まない。

今春世界の新聞紙を賑わしたキーロフ暗殺事件の真相は、すなわちこの民族争闘の反映にほかならないのである。キーロフはスターリンの親友で、スターリンと共に反ユダヤ主義の親分として排ユダヤ主義の実行に協力しておった。これに対して反幹部派たるユダヤ人の残党ジュノウイエフやカーメネフ等が、亡命ユダヤ人の有力者トロッキー等と内外相策応して、反ユダヤ主義者キーロフの暗殺を遂行した。

このユダヤの陰謀は調査の結果暴露せられ、スターリン等の心胆を寒からしめると共に、スターリンの憤激はすさまじいもので、キーロフに対しては国葬の礼をもって哀悼の意を表し、一方ジュノウイエフ、カーメネフ等のユダヤ巨頭はたちまち捕えられてそれぞれ処刑せられた。しかし貿易人民委員長のローゼンスリスリツチは証拠不十分で、わずかに処刑を免れたのである。だがスターリンはユダヤ人のこの陰謀に対して少しも追及の手を緩めない、その捜査は全国的に行われ、到るところに逮捕、投獄、流刑、銃殺が行われソビエト全国民を震害している。

ことに最近外字紙の報道によれば、ソビエトの母たるレーニン未亡人クルーブスカヤが、ジュノウイエフやカーメネフ等を救済しようとしたかどで逮捕されたことを報じている。クルーブスカヤ未亡人はいうまでもなくユダヤ婦人である。これでユダヤ征伐の辛辣さが思いやられると共にいかにユダヤ陰謀の広大深刻なりしかが察せらるるのである。

もちろんこのキーロフ事件を中心とするソビエトロシアにおける排ユダヤ主義の露骨なる表現が他の欧米諸国のユダヤ民族に反映しないはずはない。キーロフ事件勃発するや、新聞は米国民間にソ国承認取消運動の熾烈を報じ、ついに駐米ソビエト通商代表部アムトルグの閉鎖となり、せっかく開かれた米ソ関係に亀裂を生ずるに至った。ここにも我々は米国におけるユダヤ人関係の微妙さを窺知しうるのである。

要するにロシア人とユダヤ人は水と油のようなもので、彼ら相互間の怨恨憎悪の反感は、伝統であり習慣であって、いかに混合しても、融和することの出来ないものであることを、キーロフ事件は物語っている。

rekishi

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